株式会社 北野商会

経営支援事業 研究所 (ワークショップデザイン研究所)

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実践を探究する

株式会社北野商会の事業の土台となっている研究活動の紹介です。
主に、代表の北野がこれまでに行ってきた研究活動についてまとめています。

研究テーマ

実践論に基づくワークショップデザイン方法論の開発と社会実装
(キーワード:ワークショップ、実践、組織デザイン、事業デザイン、サービス)

ワークショップ

ワークショップは、多様なメンバーから構成される「創造と学習を生み出す参加の場」と言われています。各領域でのパラダイムシフトを背景に、参加の場が求められるようになり、その方法論やプロセスとしてワークショップの活用が拡大しました。現在では、ワークショップの活用領域は、まちづくり、教育研修、学校教育、製品開発、演劇、アートなど多岐に渡ります。
私が最初にワークショップに出会ったのは、1999年の金沢大学在籍時の「まちづくりワークショップ」でした。今でこそ、地方創生のスローガンのもと、住民参加や住民主体の考え方は主流になっていますが、当時はまだ萌芽期でした。私は、商店街の活性化や、地域のお祭りの企画などに、学生の立場で参画しました。ワークショップのファシリテーター役として、対話を生み出し、合意形成へと導くプロセスに心が躍ったことを覚えています。大学卒業後は、都市計画コンサルティング会社でのまちづくりワークショップや、公益法人での人材育成や組織開発のワークショップなどの実務に携わってきました。

ワークショップの背景にあるパラダイムシフト。まちづくりは行政主体から住民主体へ。学校教育は受動的学習・一方向型から能動的学習(アクティブラーニング)・双方向型・参加型へ。ビジネスは恒久的組織・カリスマ型リーダーから機動的組織・ファシリテーション型リーダーへ。デザインは技術中心設計から人間中心設計・参加型デザインへ。

ワークショップを読み解く

私にとって、ワークショップは研究対象でもあります。ワークショップの実務に約12年取り組んだのち、京都大学大学院にて研究活動を始めました。私は、多様なメンバーが集まるワークショップにおいて、メンバーがどのような会話・相互行為を行なっているかに興味をもち、集団が組織になる過程や、アイデアが創造される過程に注目しながら、研究を行ってきました。研究のアプローチとしては、実践論(状況的学習理論、活動理論、エスノメソドロジー)に立脚点におき、ワークショップでのメンバーの相互行為を、組織論や教育学、デザイン学の視点から研究してきました。

私の活動スタンスは、実務と研究を往復しながら、人々の実践そのものに向き合うことだと考えています。株式会社北野商会での事業もその一環であり、大学院での研究知見の社会実装を目指しています。

プロフィール

北野清晃
北野 清晃
  • 株式会社北野商会 代表取締役
  • 京都大学非常勤講師
略      歴
1977年大阪生まれ。金沢大学大学院を修了後、都市計画コンサルティング会社(一級建築士事務所)に入社。自治体の計画策定業務やまちづくりワークショップの企画運営に携わる。その後、人材育成や組織開発を支援する公益法人に入職。企業や自治体の研修やセミナー、シンポジウム、委員会等の企画業務に従事する。同社退職後、実家の中小企業支援に取り組みながら、京都大学経営管理大学院専門修士課程にて経営学及びエスノグラフィー等の観察手法を用いたサービスデザインの研究に取り組む。その後、京都大学大学院情報学研究科博士課程にて組織デザイン、ワークショップデザインの研究に取り組み、博士号を取得する。理論と実践の両立を目指し、企業や自治体の研修やセミナーの企画および講師、各種ワークショップの企画およびファシリテーターとして活躍している。
資      格
  • 中小企業診断士(経済産業省)
  • 一級建築士(国土交通省)
  • 一級販売士(日本商工会議所)
  • 国家資格キャリアコンサルタント(厚生労働省)
学      位
  • 博士(総合学術)  京都大学大学院情報学研究科
  • 専門修士(経営)  京都大学経営管理大学院
  • 修士(工学)  金沢大学大学院自然科学研究科
大学授業
  • 京都大学 経営管理大学院 「事業デザイン論(共)」2017〜現在に至る
  • 京都大学 農学部 演習科目「未来の森林ワークショップ(共)」2018〜現在に至る
  • 北海道大学 サマーインスティテュート科目「科学コミュニケーション(共)」2018
  • 島根大学 教養科目「ワークショップ入門(共)」2015
受      賞
  • 京都大学サマーデザインスクール2017 優秀賞(2017)
  • サービス学会国内大会口頭発表 学生奨励賞(2015)
  • 京都大学経営管理大学院 成績優秀賞(2015)
  • 日本建築学会設計競技 タジマ奨励賞(1999)※共同受賞
論文・発表
  • 北野清晃. (2019). コ・ファシリテーションの試行〜実践の中で他のファシリテーターから学ぶ. 京都大学デザイン学論考 Vol.15、68-76頁
  • 北野清晃. (2018). ワークショップの実践的知識〜自己紹介をどのようにはじめるのか〜. 京都大学デザイン学論考 Vol.12、3-9頁
  • 北野清晃. (2018). 実践論に基づくワークショップデザイン方法論の開発と社会実装. 京都大学博士論文
  • 北野清晃. (2017). 実践経験によるワークショップの認識誤差、 日本教育工学会第33回全国大会講演論文集、745-746
  • 北野清晃. (2016). 組織に基づくアイデンティティの形成過程: ワークショップにおける自己紹介場面のエスノメソドロジー分析. 組織学会トランザクションズ、5(1)、7-12.
  • 北野清晃、 奥本素子、 森幹彦. (2016). 複数ファシリテーター間の認知的徒弟制: ワークショップ場面のエスノメソドロジー分析. 日本教育工学会第32回全国大会講演論文集、423-424
  • 奥本素子、 北野清晃、 森幹彦. (2016). 「見て盗め!」ない人への支援: モデリング支援における記録と記憶の相補完システムの提案. 日本教育工学会第32回全国大会講演論文集、687-688
  • 北野清晃. (2014). ワークショップの構造化と事例分析. 京都大学修士論文
  • 平本毅、 山内裕、 北野清晃. (2014). 言語と情報への会話分析によるアプローチ: ハンバーガー店の調査から. 日本情報経営学会誌、35(1)、19-32.
  • 北野清晃、 山内裕、 平本毅. (2014). ファストフードにおけるメニュー表を使った注文: エスノメソドロジー分析. サービス学会第2回国内大会講演論文集、78-83
  • 北野清晃. (2002). GIS を用いた都市計画データベースの構築と土地利用解析に関する研究 . 金沢大学修士論文

書籍紹介

組織論から考えるワークショップデザイン

北野清晃. (2016). 組織論から考えるワークショップデザイン. 三省堂 Kiyoteru Kitano, Yutaka Yamauchi, Takeshi Hiramoto.(2016). The Ordering of Fast Food Using Menu. Serviceology for Designing the Future, pp.51-65, Springer Japan

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